「宅建業法」か「権利関係」から始めるのがベストです。

宅建で勉強する4つの分野は、学習を進める順番に注意して勉強するようにしてください。
人にはそれぞれ自分に合った学習スタイルがあります。ですから学習の順番にも、これが最適というセオリーはないのですが、少なくとも、「ここから先に手をつけてはいけません」という順序はあります。

ほかの分野で基礎を固めていないと先へ進めない科目や、学習範囲が広いわりには出題数の少ない科目などがそれです。

宅建の試験は、50問の出題中35問を正解できればほぼ確実に合格できる試験です。また300時間以上の十分な勉強をしていても、宅建は満点を取ることはむずかしい試験です。あまり重箱の隅を突き過ぎる学習にならないためにも、以下の順番で学習することをお薦めします。

私がお薦めする学習の順番は、
(1)宅建業法→権利関係→法令上の制限→税その他
(2)権利関係→宅建業法→法令上の制限→税その他
の2つのどちらかです。

お分かりいただけるよう、1番目に始めるのが宅建業法か権利関係かどちらかの違いだけで
(宅建業法or権利関係)→法令上の制限→税その他
という構図は一定しています。
このような順番をたどった方がよいと思われる理由を、以下に述べます。

(1)宅建業法は暗記科目です。

「宅建業法」は、法律のことを知らない初心者でも勉強しやすい科目です。そして暗記をすることを嫌がらなければ、必ず高得点を挙げられる科目です。しかも50問中20問も出題されます。
宅建業法を丁寧に勉強するだけで18問くらいは確保できるのです。そうしますと合格点の36問までに必要な得点はあと18問ということになります。宅建業法が得意科目になると、「どの科目では何問まで落としても大丈夫」という目処が立てやすくなるのが、この科目を早めに勉強することをお薦めする理由です。

(2)権利関係法令は、他の3つの分野の基礎となる科目です。

「権利関係」が他の分野の基礎になる理由は、この権利関係に含まれる民法の考え方に基づいているからです(都市計画法や建築基準法など民法と関わらない法律もありますが)。ですから、最初のうちに民法に沿った考え方のできる頭をつくっておくと、その他の科目に取りかかる時も、そこで問われていることの理解が早く進むことになります。
これはジレンマですが、権利関係は複雑な法律を扱う科目のため、苦手意識を持ったまま試験を受けている方が少なくないようです。
しかし配点を考えましても14問と、権利関係は2番目に多く出題される科目です。「権利関係を克服することなくして合格はなし!」とよく言われるのはそのためでしょう。
「他の分野の基礎だから」
「権利関係を得意科目にしてほしいから」
という理由で、私はこの科目に1番目か、せめて2番目には着手するようお薦めします。

(3)「法令上の制限」は出題範囲がかぎられています。

「法令上の制限」では、暗記も理解も求められます。しかしこの科目からの出題は、毎年、都市計画法と建築基準法をメインにしている傾向にあり、学習の対策が立てやすいです。
ある意味、学習範囲がかぎられている科目ということができますので、きちんと勉強すれば、8問の出題中6問は得点できる目処が見えてきます。そのため、優先順位は権利関係と宅建業法を終えた後に置くことにしました。

(4)「税その他」

毎回多くの受験生から、「そこまで手が回らなかった」という声が上がってくるのが、この「税その他」です。各種の税法にくわえて、不動産の鑑定評価、地価公示制度、統計まで出題範囲が広範にわたるため、過去問をみっちり勉強しても予測を立てにくいのがその理由です。
もちろん、「税その他」の勉強はおろそかになっても仕方がない、ということはできません。しかしこの科目では、何問失点を防げるかという考え方で、予め可能な得点数を決めてしまうことです。
この科目に必要以上に時間を掛けるよりも、その時間を他の分野の得点を固める復習に充てた方が賢明でしょう。

何度も繰り返しますが、宅建の試験は36問の正解でほぼまちがいなく合格できます。
過去問集を解きその時々の得点数を考慮して、適宜、攻略が重要な科目を見極めるようにしましょう。